食品と栄養の事典
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L-カルニチンの効果と効能【多く含む食べ物・サプリ】

L-カルニチンとは

ジョギングをする高齢の夫婦

L-カルニチンは、必須アミノ酸であるリシンとメチオニンから合成されるアミノ酸の一種です。肝臓や腎臓で合成され、多くは骨格筋と心筋に存在します。

通常は体内でL-カルニチンが欠乏することはありませんが、肥満気味の方や遺伝により生まれつきの欠乏、薬の副作用などで不足してしまうこともあります。

L-カルニチンは20代までは十分に体内で生成されますが、その後は歳をとるにつれて徐々に合成されにくくなります。年齢と共にL-カルニチンが不足する理由は、筋肉量の減少にあります。L-カルニチンは筋肉に存在するので、年齢とともに筋肉量が落ちるにつれ不足していくようになるのです。

L-カルニチンは、これまで医薬品という扱いであったのが2002年に食品としての使用が認可されたため体脂肪燃焼効果を期待するダイエット食品や多くのサプリメント系の清涼飲料水にも配合されるようになりました。

L-カルニチンの体内での働き

L-カルニチンは、「脂肪酸をミトコンドリア内に運ぶ働き」「細胞内における遊離CoAの維持」という重要な働きをしています。ミトコンドリアとは、細胞内に存在する小さな器官のことで、生体活動に必要なエネルギー源のATPがつくられます。

細胞内に取り込まれた脂肪酸はL-カルニチンと結合しミトコンドリア内部で脂肪を燃焼させるのです。このことから、L-カルニチンが脂肪の燃焼効果があるとされています。

L-カルニチンの効果や効能とは

先ほどの説明のようにL-カルニチン自体が脂肪燃焼をするわけではありませんが、ミトコンドリアに脂肪酸を運び脂肪の燃焼をさせるためL-カルニチンには脂肪燃焼効果があります。

体内に蓄積された内臓脂肪や皮下脂肪をエネルギーとして使うことで燃焼させる作用があり、運動前に摂取すると脂肪を燃焼する効果が高まります。

他にも、L-カルニチンはアルツハイマーなどの痴呆症の予防や、心不全、腎不全などの慢性消耗性疾患でも利用されています。では、L-カルニチンの効果についてもう少し詳しく見ていきましょう。

脂肪燃焼で肥満を防ぐ効果

L-カルニチンの注目されている効果で一番大きいのが内臓脂肪を防ぐことです。先ほどの説明の通り、L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに運び脂肪を燃焼させるので体に蓄積された内臓脂肪や皮下脂肪をエネルギーとして燃焼させます。

年齢を重ねるごとに脂肪を燃焼する能力が衰えてくるので内臓に脂肪がたまり生活習慣病にかかる人が増えてきます。L-カルニチンの生成量が衰える50歳~60歳ぐらいの方であればカルニチンを摂取することで脂肪の蓄積を防ぐことも可能です。

心肺機能を高める効果

L-カルニチンは、筋肉に存在する栄養素です。心臓や肺といった心肺機能であっても筋肉によって動いており、これらの臓器にエネルギーを運んでいます。そのため、L-カルニチンを摂取することで肺活量を強化したり、運動ですぐに息が切れるといった症状を改善することも可能です。こうしたL-カルニチンの作用を期待してスポーツ選手はL-カルニチンを常に摂取しているという人も多くいます。

生活習慣病を予防する効果

若い人であれば体内で生成されるL-カルニチンが不足することも少ないのですが、50~60代ぐらいになってくるとL-カルニチンの生成量が衰え不足してくることもあります。

L-カルニチンが不足すると脂肪の燃焼が活発でなくなるので外見的に太るばかりでなく、臓器や血管にも悪影響が出るようになります。体に蓄積された余分な脂肪がコレステロールとして血中に流れ出すため、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病になる危険が増えてきます。

運動後の疲労回復効果

L-カルニチンがスポーツ選手によく好まれているのは、疲労を回復させる効果があるためです。体内で脂肪を使いエネルギーを生み出すので体の疲れを回復させる作用もあるのです。運動後になかなか疲れがとれないという方は、年齢のせいか元々の生成する能力が低いためにL-カルニチンが不足しているのかもしれません。

カルニチンが多く含まれる食べ物

以下の表は100g中に含まれるL-カルニチンの量です。こうしてみると、赤身の肉、貝類、イカやタコなどに多く含まれていることがわかります。L-カルニチンは体内で生成できるので不足することはないと言われています。

しかし中高年になると徐々に生成される量が減るほか、生まれつき遺伝でカルニチンを十分に生成できないという方もいるので、そういう人はカルニチンを含む食材を積極的に摂るのがいいでしょう。

100g中の含有量(mg)

食品 含有量(mg)
マトン 190
ラム 110
赤貝 108
牛肉 90
アオリイカ 58
鶏肉 27
たこ 25
あさり 24
しじみ 24
豚肉 22
さんま 17
あじ 14
アボガド 12
まぐろ 5
ヨーグルト 0.4
牛乳 0.4

カルニチンの摂取方法は

カルニチンの摂取量は特に決められていませんが、厚生労働省の摂取目安としてはアメリカの体重1kg当たり20mg/日、スイスの成人一人当たり1000mg/日から1日あたりの摂取上限の目安量を参考に約1000mg/日としています。

赤身の肉などの動物性食品を食べている成人は1日あたり約60~180mgのカルニチンを摂取していることになります。食品から摂取したのカルニチンの54~86%は小腸から吸収され血液中に入ります。このため腸内環境が悪い場合にはカルニチンに吸収が十分でない場合もあります。

L-カルニチンは単独で摂るよりもコエンザイムQ10や、リノール酸、カフェインなどと同時に摂るとより効果的です。サプリメントなどで摂取する場合は、製品の注意書きに従って摂るようにしてください。 脂肪燃焼の効果を期待する場合は運動前に摂る必要があります。

カルニチンの副作用や注意点は

L-カルニチンには現在のところ特筆すべき副作用や注意点などは報告されていません。サプリメントや栄養補助食品などから摂取する場合、注意事項や一日摂取量を守れば特に問題はありませんが、過剰に摂取するとまれに下痢をする可能性があります。

アミノ酸は、摂りすぎると摂りすぎた分は尿として体外へ排出されるので比較的安全性の高い成分です。しかし、アミノ酸の極端に多量の摂取は腎臓に負担をかける場合があります。

では大量の摂取とはどの程度でしょうか。サプリメントとして、カルニチンの摂取のリスク評価を2006年に行ったときの結果として、1日に2000mgのカルニチンを6か月間摂取し続けても特に副作用や問題などは認められなかったということです。

DHCで販売されているカルニチンの配合量が1日に750mgなので3日分を毎日摂取しても特に問題はないということになります。カルニチンを大量に摂取しても脂肪燃焼や疲労回復効果が高まるというわでではないので、そんなに大量に摂取することは不注意以外にはなかなかないでしょう。

L-カルニチンを飲むタイミング

Lカルニチンを飲むタイミングで一番いいとされているのが、

『運動をする少し前』

です。少し前とはスポーツや運動を始めるおよそ1時間~1時間半ぐらい前です。これは、カルニチンの脂肪燃焼効果を最大限に引き出すためです。運動直前や運動中でも効果がないわけではありませんがベストなタイミングではないということです。

カルニチン配合のサプリメントは?

カルニチンが一時的にブームになったときには、羊肉に多く含まれているためジンギスカン料理のレストランが大評判でした。その後、大手飲料メーカーなどよりビタミンCなどと同時に配合されている清涼飲料水などの製品が多数販売されました。

最近では、ダイエット系のサプリメントなどにカルニチンとその他の成分が組み合わされて配合されている商品などが多くみられるようです。カルニチンは単独で体内で生成でき健康な人であれば摂取量は十分なことも多くあります。

そのため、サプリメントでとる場合には、L-カルニチン単独の商品ではなく、コエンザイムQ10など他の有効な成分が同時に配合されている商品の方がダイエットや健康の維持に役立つでしょう。